トップページ > アマチュア野球内規(2022年)

 

アマチュア野球内規(2022年)

 

この内規集は、公認野球規則適用上のアマチュア野球規則委員会の統一解釈を収録したもので、公認野球規則と同等の効力を持つものである。

なお、この内規は、2022年のルールに基づいたものであり、今後ルール改正があれば、適用上の解釈にも変更が加えられるかもしれないことをお断りしておく。

 

2022年2月

一般財団法人全日本野球協会

アマチュア野球規則委員会

アマチュア野球内規 2022年度版(PDF)

① 次回の第1打者

たとえば2アウト、打者のボールカウント1ボール2ストライク後の投球のときに、三塁走者が本盗を企てたが得点とならないで攻守交代になったような場合、次回の第1打者を明らかにするため、球審は、打者が三振でアウトになったのか、走者が触球されてアウトになったのかを明示しなければならない。

(規則5.04a(3)、5.09a(14))

② バッタースボックスルール

(1)打者は打撃姿勢をとった後は、次の場合を除き、少なくとも一方の足をバッタースボックス内に置いていなければならない。この場合は、打者はバッタースボックスを離れてもよいが、〝ホームプレートを囲む土の部分〟を出てはならない。

1)打者が投球に対してバットを振った場合。

2)チェックスイングが塁審にリクエストされた場合。

3)打者が投球を避けてバランスを崩すか、バッタースボックスの外に出ざるを得なかった場合。

4)いずれかのチームのメンバーが〝タイム〟を要求し認められた場合。

5)守備側のプレーヤーがいずれかの塁で走者に対するプレイを企てた場合。

6)打者がバントをするふりをした場合。

7)暴投または捕逸が発生した場合。

8)投手がボールを受け取った後マウンドの土の部分を離れた場合。

9)捕手が守備のためのシグナルを送るためキャッチャースボックスを離れた場合。

 

(2)打者は、次の目的で〝タイム〟が宣告されたときは、バッタースボックスおよび〝ホームプレートを囲む土の部分〟を離れることができる。

1)負傷または負傷の可能性がある場合。

2)プレーヤーの交代

3)いずれかのチームの協議

なお、審判員は、前の打者が塁に出るかまたはアウトになれば、速やかにバッタースボックスに入るよう次打者に促さねばならない。

 

ペナルティ(1)・(2)

打者が意図的にバッタースボックスを離れてプレイを遅らせ、かつ(1)の1)~9)の例外規定に該当しない場合、または、打者が意図的に〝ホームプレートを囲む土の部分〟を離れてプレイを遅らせ、かつ(2)の1)~3)の例外規定に該当しない場合、球審は、その試合で2度目までの違反に対しては警告を与え、3度目からは投手の投球を待たずにストライクを宣告する。この場合はボールデッドである。

もし打者がバッタースボックスまたは〝ホームプレートを囲む土の部分〟の外にとどまり、さらにプレイを遅延させた場合、球審は投手の投球を待たず、再びストライクを宣告する。

なお、球審は、再びストライクを宣告するまでに、打者が正しい姿勢をとるための適宜な時間を認める。(規則5.04b(4)(A)、同(B))

③ ワインドアップポジションの投手

ワインドアップポジションをとった右投手が三塁(左投手が一塁)に踏み出して送球することは、投球動作を変更して送球したとみなされるから、ボークとなる。(規則6.02a(1))

投手が投球動作を起こして両手を合わせた後、再び両手をふりかぶることは、投球を中断したものとみなされる。投球動作を起こしたときは、投球を完了しなければならない。(規則5.07a(1))

④ 最終回裏の決勝点

正式試合の最終回の裏かまたは延長回の裏に、規則6.01(g)規定のプレイで三塁走者に本塁が与えられて決勝点になる場合には、打者は一塁に進む義務はない。(規則5.08b、6.01g)

⑤ 2アウト、四球暴投、決勝点で打者一塁へ進まず

最終回裏、走者三塁、打者の四球(フォアボール)目が暴投または捕逸となって決勝点が記録されるとき、四球の打者が一塁へ進まなかった場合は、規則5.08(b)のように球審が自ら打者のアウトを宣告して、得点を無効にすることはできない。

打者が一塁に進まないまま、守備側が何らの行為もしないで、両チームが本塁に整列すれば、四球の打者は一塁へ進んだものと記録される。

打者をアウトにするためには、両チームが本塁に整列する前に守備側がアピールすることが必要である(規則5.09(c) [5.09c原注] [注2])。しかし、守備側がアピールしても、打者は一塁への安全進塁権を与えられているので、打者が気づいて一塁に到達すれば、アピールは認められない。

守備側のアピールを認めて打者をアウトにする場合は、

1) 打者が一塁に進もうとしないとき

2) 打者が一塁に進もうとしたが途中から引き返したとき

である。(規則5.08b、5.09c[5.09c原注] [注2])

⑥ アウトの時機

アウトが成立する時機は、審判員が宣告したときではなくて、アウトの事実が生じたときである。第3アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのアウトにいたるプレイ中に走者が本塁に達するときなどのように、状況によっては速やかにアウトを宣告しなければならない。(規則5.08a[注1])

⑦ アピールの場所と時期

守備側チームは、アピールの原因となった塁(空過またはリタッチの失敗)に触球するだけでなく、アピールの原因でない塁に進んでいる走者の身体に触球して、走者の違反を指摘して、審判員の承認を求める(アピール)ことができる。この場合、アピールを受けた審判員は、そのアピールの原因となった塁の審判員に裁定を一任しなければならない。

アピールは、ボールインプレイのときに行わなければならないので、ボールデッドのときにアピールがあった場合は、当該審判員は「タイム中だ」ということとする。(規則5.09c)

ただし、最終回の裏ボールデッド中に決勝点が記録された場合、または降雨等で試合が中断され、そのまま試合が再開されない場合、ボールデッド中でもアピールはできるものとする。

⑧ 審判員がインプレイのとき使用球を受け取る

3アウトと勘ちがいした守備側が、使用球を審判員に手渡したのを審判員が受け取った場合は、規則6.01(d)を準用する。審判員が使用球を受け取ると同時にボールデッドとし、受け取らなかったらどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。また、ベースコーチが同様のケースで試合球を受け取った場合も、受け取ると同時にボールデッドとするが、走者はボールデッドになったときに占有していた塁にとどめる。(規則6.01d)

⑨ 打者に背後にウェストボールを投げる

投手がスクイズプレイを防ぐ目的で、意識的に打者の背後へ投球したり、捕手が意識的に打者の背後に飛び出したところへ投球したりするような非スポーツマン的な行為に対しても規則6.01(g)を適用し、走者には本塁を与え、打者は打撃妨害で一塁へ進ませる。(規則6.01g)

⑩ 危険防止(ラフプレイ禁止)ルール

本規則の趣旨は、フェアプレイの精神に則り、プレーヤーの安全を確保するため、攻撃側および守備側のプレーヤーが意図的に相手に対して体当たりあるいは乱暴に接触するなどの行為を禁止するものである。

 

1.タッグプレイのとき、野手がボールを明らかに保持している場合、走者は(たとえ走路上であっても)野手を避ける、あるいは減速するなどして野手との接触を回避しなければならない。

1)野手との接触が避けられた

2)走者は野手の落球を誘おうとしていた

3)野手の落球を誘うため乱暴に接触した

と審判員が判断すれば、その行為は故意とみなされ、たとえ野手がその接触によって落球しても、走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。なお、走者の行為が極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。(規則6.01i(1))

 

2.次の場合には、たとえ身体の一部が塁に向かっていたとしても、走者には妨害が宣告される。

(1)走者が、ベースパスから外れて野手に向かって滑ったり、または走ったりして野手の守備を妨げた場合(接触したかどうかを問わない)。

《走者は、まっすぐベースに向かって滑らなければならない、つまり走者の身体全体(足、脚、腰および腕)が塁間の走者の走路(ベースパス)内に留まることが必要である。ただし、走者が、野手から離れる方向へ滑ったり、走ったりすることが、野手との接触または野手のプレイの妨げになることを避けるためであれば、それは許される。》

(2)走者が体を野手にぶつけたりして、野手の守備を妨害した場合。

(3)走者のスライディングの足が、立っている野手の膝より上に接触した場合および走者がスパイクの刃を立てて野手に向かってスライディングした場合。

(4)走者がいずれかの足で野手を払うか、蹴った場合。

(5)たとえ野手がプレイを完成させるための送球を企てていなくても、走者がイリーガリーに野手に向かってスライドしたり、接触したりした場合。

 

ペナルティ(1)~(5)

1)フォースプレイのときの0アウトまたは1アウトの場合、妨害した走者と、打者走者にアウトが宣告される。すでにアウトになった走者が妨害した場合は、守備側がプレイを試みようとしている走者にアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。

2)フォースプレイのときの2アウトの場合、妨害をした走者にアウトが宣告され、ただちにボールデッドとなり、他の走者は進塁できない。

3)タッグプレイの場合、妨害をした走者にアウトが宣告され、ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。

4)走者のスライディングが極めて悪質な場合は、走者は試合から除かれる場合もある。(規則5.09b(3)、6.01i(1)、6.01j)

 

3.タッグプレイのとき、捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は、オブストラクションが厳格に適用される。

なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても、故意に足を塁線上または塁上に置いたり、または脚を横倒しにするなどして塁線上または塁上に置いたりして、走者の走路をふさぐ行為は、大変危険な行為であるから禁止する。同様の行為で送球を待つことも禁止する。このような行為が繰り返されたら、その選手は試合から除かれる場合もある。

 

ペナルティ

捕手または野手がボールを保持していて、上記の行為で走者の走路をふさいだ場合、正規にタッグされればその走者はアウトになるが、審判員は捕手または野手に警告を発する。走者が故意または意図的に乱暴に捕手または野手に接触し、そのためたとえ捕手または野手が落球しても、その走者にはアウトが宣告される。ただちにボールデッドとなり、他の走者は妨害発生時に占有していた塁に戻る。(規則6.01h、6.01i(2))

⑪ 投手の遅延行為

走者が塁にいるとき、投手が投手板から軸足をはずして、走者のいない塁に送球した(送球するマネも含む)場合、または、投手板上からでも軸足を投手板からはずしても、塁に入ろうとしていない野手に送球した場合には、投手の遅延行為とみなす。(規則6.02a(4)、6.02a(8)、6.02c(8))

⑫ 投球する手を口または唇につける

規則6.02(c)(1)のペナルティに代えて、審判員はその都度警告してボールを交換させる。(規則6.02c)

⑬ 正式試合となる回数

審判員が試合の途中で打ち切りを命じたときに正式試合となる回数については、規則7.01(c)に規定されているが、各種大会などでは、この規定の適用に関して独自の特別規則を設けることができる。

大会によっては、一定以上の得点差、たとえば、5回10点差、7回以降7点差など、得点差によってコールドゲームとし、正式試合とする特別規則もある。(規則7.01c)

 

 

 

 

 ▲ 

戻 る